固定資産税減免特例と宥恕規定

新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置として、売上が減少している中小企業者等に対して、「固定資産税・都市計画税の減免措置」が設けられています。
原則として、申告期限までに必要書類を提出する必要がありますが、期限経過後の扱いとして宥恕規定も置かれています。

 


固定資産税・都市計画税の減免措置とは

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する建物や設備の2021年度の固定資産税及び都市計画税を、事業収入の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2とします。

【減免対象】

※いずれも市町村税(東京都23区においては都税)
■事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
■事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比減少率 減免率
50%以上減少 全額
30%以上50%未満 1/2
【申告期限】

2021年1月31日までとされていますが、同日は日曜日に当たるため、翌日の2021年2月1日が申告期限となっています。

 


宥恕規定について

申告期限経過後の申告について、必要書類の提出先となる各自治体の市町村長が、「やむを得ない理由がある」と認めたときは、例外的に、期限経過後の提出であっても特例を適用することができるとしています。

 

「やむを得ない理由」とは、例えば
・必要書類の手続をしている人が新型コロナウイルス感染症に罹患してしまった
・新型コロナウイルス感染症の影響で会社が休業状態になってしまった
等のケースが想定されます。

 

ただし、このようなケースの認否については、各自治体の市町村長の判断に委ねられます。
大前提として、申告期限の遵守が基本であることを忘れずに、申告期限に間に合うように計画的に手続きを行いましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響による損失と繰戻し還付制度

新型コロナウイルス感染症の影響により損失が発生した際に、災害損失欠損金の繰戻しによる法人税額の還付を受けられる場合があります。

 


災害損失欠損金の繰戻し還付制度とは

災害のあった日から1年以内に終了する各事業年度または半年以内に終了する中間期間において、災害損失欠損金が発生した場合、その年度の開始の日の前1年以内(青色申告法人は前2年以内)に開始した事業年度の法人税額のうち、災害損失欠損金額に対応する部分に関して還付請求できる制度です。

 


災害損失欠損金の範囲

災害損失欠損金に該当する例

・飲食業者等の食材(棚卸資産)の廃棄損
・感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除却損
・施設や備品などを消毒するために支出した費用
・感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気清浄機等の購入費用
・生鮮食品やパンなどの販売に際し、商品の保護に用いるショーケース、ビニール製カーテン、パーテーション等の購入費用
・貸衣装等の衛生管理に用いる衣装カバーの購入費用
・イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

災害損失欠損金に該当しない例

・客足が減少したことによる売上げ減少額
・休業期間中に支払う人件費
・イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料

 

■国税庁FAQ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm

 


留意点

災害により棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産について生じた損失の額が対象となりますので、外出自粛の要請等があったことによる店舗の売上げの減少額などは除外されます。

また、業界団体等のガイドラインに沿った必要な支出であること、利用者の感染が確認された場合には廃棄処分するというルールがあることなど、各資産に係る被害拡大を防止するための支出であると客観的に示す必要があります。

 

形式上の貸倒れと備忘価額

新型コロナウイルス感染症の影響による取引先の倒産や取引停止等が増えることが予想され、売掛金等の回収ができるか不安な企業も多いかと思います。
取引先が一定の状況に陥ったことで売掛金等が回収できなくなった場合に、税務上、貸倒損失を計上できる基準があります。
その一つに、形式上の貸倒れがあります。

 


形式上の貸倒れとは

貸付金等を除く売掛債権が対象で、下記のいずれかの条件に当てはまれば、形式上の貸倒れと認定されます。


・継続的な取引を行っていた取引先の資産状況等の悪化で取引が停止し、1年以上経過している
・支払いを求めたにもかかわらず弁済がなく、売掛金の総額が取り立て費用に満たない

 

形式上の貸倒れの場合、「備忘価額」を設定することで、貸倒損失を計上できます。
なお、この基準は、継続的に取引を行っていた場合にしか適用されません。単発取引の場合には使えないため、注意が必要です。

 


形式上の貸倒れの状況になったときの仕訳例

取引先Aに対する売掛金が10万円で備忘価額を1円に設定した場合

貸倒損失 99,999円 / 売掛金 99,999円

 

その後「事実上の貸倒れ」になったときの仕訳は下記のようになります

 

貸倒損失 1円 / 売掛金 1円
 
 

備忘価額を設定するのはなぜ?

形式上の貸倒れは、あくまで「形式上」であり、現実的に貸倒れる確率は極めて高いわけですが、回収できる確率が0%ではないという考え方もあります。
そこで、備忘価額を設定することで、売掛金等がまだ存在していることを示しておくためといわれています。
設定された備忘価額は、その後「事実上の貸倒れ」の状況となったときに消すことができます。

 

■事実上の貸倒れとは
取引先の破産、死亡などにより、売掛金の全額が回収できないことが明らかであるとき、事実上の貸倒れが認定され、全額が貸倒損失として計上できます。

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う在宅勤務実施のお知らせ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、政府の緊急事態宣言が発令されたことを受け、税理士法人村上事務所では、新型コロナウイルスの感染拡大防止と、お客様ならびに従業員の安全を目的に、4/22(水)から5/29(金)までの期間、全従業員に対して原則在宅勤務とする方針を決定いたしました。なお、政府の意向により在宅勤務を延長する可能性がございます。皆様には大変ご不便、ご迷惑をおかけすることと存じますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
つきましては、当法人へのご連絡方法、ご対応について、下記にまとめております。ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

 

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【担当者へのご連絡について】

従業員は在宅にて通常勤務を継続しておりますので、担当者の携帯電話番号、メールアドレスをご存じの場合は、それらの連絡手段を優先してご利用ください。

 

【箕面本社への連絡】

072-721-0075 まで ご連絡ください。交代制で数名出勤予定です。

 

【大阪支社への連絡】

06-4256-4173 まで ご連絡ください。交代制で数名出勤予定です。

不在の場合がございます。その場合、箕面本社への転送となります。

 

【お客様とのご面談について】

お客様の安全を最優先し、お客様のご了承のもと、可能な限り、電話、メール、チャットツール等で、お打ち合せさせていただきます。ご対応にご協力とご理解をお願い申し上げます。

 

【従業員の取り組み】

・マスク着用や、積極的な手洗い、アルコール消毒を徹底いたします。

・公共交通機関の利用を可能な限り禁止とし、できるだけ人混みをさける行動を実行していきます。

・従業員の身近に感染者または濃厚接触者と認定された人がいる場合には、事務所に報告させる体制としております。

・万が一従業員が感染の疑いが高まった場合には、国・各都道府県・保健所・医療機関等の指示に従った対応を実施致します。

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税理士法人村上事務所はお客様ならびに従業員の健康に配慮して、サービス提供を継続してまいります。

何卒ご理解ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

税理士法人村上事務所

代表社員 鶴田晃宗

代表社員 岡本孝司

代表社員 檜垣寛明

2019年(平成31年)税制改正による教育資金贈与の改正

2019年4月1日新しい元号が発表され、5月1日より「令和」になりました。「令和」は248番目の元号で、日本最初の元号は「大化」と言われています。日本史で645年「大化の改新」を覚えるのに「むしごろし大化の改新」と覚えたことを思い出しました。(今では語呂合わせで年号を覚えることはなくなったのでは…)

さて2019年税法改正で教育資金贈与の特例が2019年3月31日で終了するのが、2021年3月31日まで2年間延長されました。但し同時に中身の改正も行われましたので、改正点をお知らせします。

改正の概要

(1)受贈者の所得制限

教育資金の信託等をする年の前年の受贈者(もらう側)の合計所得金額1、000万円を超える場合は、非課税措置の適用を受けることができないこととする。

改正は平成31年4月1日以降に行う教育資金贈与について適用されます。

(2)教育資金の範囲の見直し

教育資金の範囲から、学校等以外の者に支払われる金銭で支払い時点における受贈者の年齢が23歳(誕生日の翌日)以降のうち、教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務提供の対価、スポ-ツ(水泳、野球など)・文化芸術に関する活動等(ピアノ、絵画など)に係る指導の対価、これらの役務提供又は指導に係る物品の購入費及び施設の利用料を除外する。(教育訓練給付の支給対象となる教育訓練を受講するための費用は除く。)

改正は令和元年7月1日以後に支払われる教育資金について適用します。

(3)死亡前3年以内に非課税措置の適用を受けた場合の取り扱い

信託等をした日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者(あげる側)が死亡した場合において、受贈者が当該贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等について本措置の適用を受けたことがあるときは、その死亡の日における管理残額(非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額のうち、贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等の価額に対応する金額をいう。)を、当該受贈者が当該贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなす。但し、その死亡日の日において次のいずれかに該当する場合を除く。)

①当該受贈者が23歳未満である場合

②当該受贈者が学校等に在学している場合

③当該受贈者が教育訓練給付の支給対象となる教育訓練を受講している場合

改正は、平成31年4月1日以後の贈与者が死亡した場合について適用します。但し、同日前に信託等により取得した信託受益権等の価額は上記管理残額の信託受益権等の価額に含まれないものとします。

(4)教育資金管理契約の終了事由の見直し

受贈者が30歳に達した場合においても、上記(3)②又は③のいずれかに該当する場合には、次のいずれか早い日に教育資金管理契約が終了するものとする。

①その年において上記(3)②又は③のいずれかに該当する期間がなかった場合におけるその年の12月31日

②受贈者が40歳に達する日

改正は、令和31年7月1以後に受贈者が30歳に達する場合について適用します。

以上改正点をお知らせしました(4)以外は条件が厳しくなっていますので、もう一度ご確認の上ご検討ください。