法人設立ワンストップサービスについて

法人を設立するためには、さまざまな手続きが必要です。
これまで法人を設立する際、届出の提出などの各種手続きを、所轄税務署と自治体の行政機関毎に個別に行う必要がありましたが、「法人設立ワンストップサービス」を利用することで、一括して書類を提出することが可能となり、手続きがより簡単になります。

 


法人設立ワンストップサービスとは

法人設立ワンストップサービスとは、法人を設立する際、各省庁に提出等が必要な各種手続きを一度にまとめてオンラインで申請できるサービスのことです。
手続きごとの来庁が不要になり、オンラインでできるので、24時間365日、自宅等からいつでも手続きが可能となります。

 

■国税庁「法人設立ワンストップサービスの対象が全ての手続に拡大されました」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/OSS.htm

 


法人設立ワンストップサービス利用を利用するための事前準備

利用にあたっては、事前に以下の準備を行ってください。
 

●法人代表者のマイナンバーカード

マイナンバーカードについては、交付の申し込みをしてから交付されるまでに時間がかかることがあります。提出期限が定められている手続きもありますので、スケジュールに注意して準備を行ってください。


●インターネットアクセス端末

スマートフォン、パソコン、タブレット等


●ICカードリーダライタ

カード読取可能なスマートフォンであれば不要です。


●マイナポータルAPのインストール

マイナポータルは、国が運営するオンラインサービスで、行政手続の検索やオンライン申請がワンストップでできたり、行政機関からのお知らせを受け取れたりする、自分専用のサイトです。

 


従来の手続きで必要な添付書類について

法人設立ワンストップサービスではなく、従来通り書面やe-Tax・eLTAXで提出すると

①定款等の写し
②登記事項証明書等
などの書類を添付することが求められます。
 

②登記事項証明書等については、平成29年度税制改正により、法務省と国税庁との間で登記事項情報を共有できる環境が整備されたことを踏まえ、税務署への届出の際は添付が省略できるようになりましたが、各自治体への届出の際は省略できません。

固定資産税減免特例と宥恕規定

新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置として、売上が減少している中小企業者等に対して、「固定資産税・都市計画税の減免措置」が設けられています。
原則として、申告期限までに必要書類を提出する必要がありますが、期限経過後の扱いとして宥恕規定も置かれています。

 


固定資産税・都市計画税の減免措置とは

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する建物や設備の2021年度の固定資産税及び都市計画税を、事業収入の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2とします。

【減免対象】

※いずれも市町村税(東京都23区においては都税)
■事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
■事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比減少率 減免率
50%以上減少 全額
30%以上50%未満 1/2
【申告期限】

2021年1月31日までとされていますが、同日は日曜日に当たるため、翌日の2021年2月1日が申告期限となっています。

 


宥恕規定について

申告期限経過後の申告について、必要書類の提出先となる各自治体の市町村長が、「やむを得ない理由がある」と認めたときは、例外的に、期限経過後の提出であっても特例を適用することができるとしています。

 

「やむを得ない理由」とは、例えば
・必要書類の手続をしている人が新型コロナウイルス感染症に罹患してしまった
・新型コロナウイルス感染症の影響で会社が休業状態になってしまった
等のケースが想定されます。

 

ただし、このようなケースの認否については、各自治体の市町村長の判断に委ねられます。
大前提として、申告期限の遵守が基本であることを忘れずに、申告期限に間に合うように計画的に手続きを行いましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響による損失と繰戻し還付制度

新型コロナウイルス感染症の影響により損失が発生した際に、災害損失欠損金の繰戻しによる法人税額の還付を受けられる場合があります。

 


災害損失欠損金の繰戻し還付制度とは

災害のあった日から1年以内に終了する各事業年度または半年以内に終了する中間期間において、災害損失欠損金が発生した場合、その年度の開始の日の前1年以内(青色申告法人は前2年以内)に開始した事業年度の法人税額のうち、災害損失欠損金額に対応する部分に関して還付請求できる制度です。

 


災害損失欠損金の範囲

災害損失欠損金に該当する例

・飲食業者等の食材(棚卸資産)の廃棄損
・感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除却損
・施設や備品などを消毒するために支出した費用
・感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気清浄機等の購入費用
・生鮮食品やパンなどの販売に際し、商品の保護に用いるショーケース、ビニール製カーテン、パーテーション等の購入費用
・貸衣装等の衛生管理に用いる衣装カバーの購入費用
・イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

災害損失欠損金に該当しない例

・客足が減少したことによる売上げ減少額
・休業期間中に支払う人件費
・イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料

 

■国税庁FAQ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm

 


留意点

災害により棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産について生じた損失の額が対象となりますので、外出自粛の要請等があったことによる店舗の売上げの減少額などは除外されます。

また、業界団体等のガイドラインに沿った必要な支出であること、利用者の感染が確認された場合には廃棄処分するというルールがあることなど、各資産に係る被害拡大を防止するための支出であると客観的に示す必要があります。

 

形式上の貸倒れと備忘価額

新型コロナウイルス感染症の影響による取引先の倒産や取引停止等が増えることが予想され、売掛金等の回収ができるか不安な企業も多いかと思います。
取引先が一定の状況に陥ったことで売掛金等が回収できなくなった場合に、税務上、貸倒損失を計上できる基準があります。
その一つに、形式上の貸倒れがあります。

 


形式上の貸倒れとは

貸付金等を除く売掛債権が対象で、下記のいずれかの条件に当てはまれば、形式上の貸倒れと認定されます。


・継続的な取引を行っていた取引先の資産状況等の悪化で取引が停止し、1年以上経過している
・支払いを求めたにもかかわらず弁済がなく、売掛金の総額が取り立て費用に満たない

 

形式上の貸倒れの場合、「備忘価額」を設定することで、貸倒損失を計上できます。
なお、この基準は、継続的に取引を行っていた場合にしか適用されません。単発取引の場合には使えないため、注意が必要です。

 


形式上の貸倒れの状況になったときの仕訳例

取引先Aに対する売掛金が10万円で備忘価額を1円に設定した場合

貸倒損失 99,999円 / 売掛金 99,999円

 

その後「事実上の貸倒れ」になったときの仕訳は下記のようになります

 

貸倒損失 1円 / 売掛金 1円
 
 

備忘価額を設定するのはなぜ?

形式上の貸倒れは、あくまで「形式上」であり、現実的に貸倒れる確率は極めて高いわけですが、回収できる確率が0%ではないという考え方もあります。
そこで、備忘価額を設定することで、売掛金等がまだ存在していることを示しておくためといわれています。
設定された備忘価額は、その後「事実上の貸倒れ」の状況となったときに消すことができます。

 

■事実上の貸倒れとは
取引先の破産、死亡などにより、売掛金の全額が回収できないことが明らかであるとき、事実上の貸倒れが認定され、全額が貸倒損失として計上できます。

新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う在宅勤務実施のお知らせ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、政府の緊急事態宣言が発令されたことを受け、税理士法人村上事務所では、新型コロナウイルスの感染拡大防止と、お客様ならびに従業員の安全を目的に、4/22(水)から5/29(金)までの期間、全従業員に対して原則在宅勤務とする方針を決定いたしました。なお、政府の意向により在宅勤務を延長する可能性がございます。皆様には大変ご不便、ご迷惑をおかけすることと存じますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
つきましては、当法人へのご連絡方法、ご対応について、下記にまとめております。ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

 

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【担当者へのご連絡について】

従業員は在宅にて通常勤務を継続しておりますので、担当者の携帯電話番号、メールアドレスをご存じの場合は、それらの連絡手段を優先してご利用ください。

 

【箕面本社への連絡】

072-721-0075 まで ご連絡ください。交代制で数名出勤予定です。

 

【大阪支社への連絡】

06-4256-4173 まで ご連絡ください。交代制で数名出勤予定です。

不在の場合がございます。その場合、箕面本社への転送となります。

 

【お客様とのご面談について】

お客様の安全を最優先し、お客様のご了承のもと、可能な限り、電話、メール、チャットツール等で、お打ち合せさせていただきます。ご対応にご協力とご理解をお願い申し上げます。

 

【従業員の取り組み】

・マスク着用や、積極的な手洗い、アルコール消毒を徹底いたします。

・公共交通機関の利用を可能な限り禁止とし、できるだけ人混みをさける行動を実行していきます。

・従業員の身近に感染者または濃厚接触者と認定された人がいる場合には、事務所に報告させる体制としております。

・万が一従業員が感染の疑いが高まった場合には、国・各都道府県・保健所・医療機関等の指示に従った対応を実施致します。

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税理士法人村上事務所はお客様ならびに従業員の健康に配慮して、サービス提供を継続してまいります。

何卒ご理解ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

税理士法人村上事務所

代表社員 鶴田晃宗

代表社員 岡本孝司

代表社員 檜垣寛明