新型コロナウイルスの影響による業績不振の企業が多い中、新商品販売などで業績を回復した企業もあるかと思います。
新商品の企画や、事務や作業などの業務改善、製品の品質改善、経費の節約等につながるアイデアに対し、報奨金を出す社内提案報奨制度の所得区分は、その功労者の「通常の職務」であるかどうかで異なってきます。
社内提案報奨金の所得区分
支払う会社側は、「福利厚生費」として損金算入にすることができますが、従業員側の税務上の取扱いは、その提案等が「通常の職務の範囲内か否か」に応じ、次のように分かれます。
※この取扱いは、提案された工夫、考案等が特許等を受けるまでに至らない程度のものの場合となります。
■通常の職務の範囲内である場合
・給与所得となり、源泉徴収が必要
■通常の職務の範囲外である場合で、一時に支給されるもの
・一時所得となり、源泉徴収が不要
■通常の職務の範囲外である場合で、継続的に支給されるもの
・雑所得となり、源泉徴収が不要
※継続的に支給されるとは、例えば、1回の提案について何度も報奨金が貰える、1万個売り上げるごとに支給するなど、複数回に渡る継続的な支給のことをいいます。
永年勤続表彰
また、代表的な社内表彰制度である永年勤続表彰で支給する記念品等は、次の要件のいずれも満たす場合には、課税されないことになっています。
1.その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること
2.勤続年数が、おおむね10年以上である人を対象としていること
3.同じ従業員を2回以上表彰する時は、以前に表彰した時から、おおむね5年以上の間隔が空いていること
しかし、もし現金支給すると、従業員への「給与手当」扱いとなり、課税されますので注意が必要です。
なお、換金性の高い商品券なども現金同様、給与手当として課税されます。