お年玉に贈与税??(社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い)

新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
今年はサル年です。私はヘビ年ですが

さて、タイムリーな話題として、お年玉に関する税金の話をちょっとします。

子供が親や祖父母等の親戚からもらうお年玉は、日本社会の伝統的慣習(中国でもお年玉慣習が有るらしいですが)です。民法上では贈与に該当しますが、親戚1人当たりの金額が一般的な普通の金額であれば、贈与税は非課税、つまり課税されません。

タダでモノを貰えば全てに対して贈与税が課税されるわけではありません。

一般的な普通の金額を超えるお年玉の場合には、その家庭の状況にもよりますが、社会通念上相当額であると認められるものではないと考えられるので、贈与税が課税される可能性が有ります。

お年玉の金額基準は存在しませんが、親戚1人からもらうお年玉が100万や200万の場合は、通常の贈与税課税の対象になるでしょう。一般的な普通の金額を超えるお年玉を複数人から貰った場合、それらの金額の合計が110万円(贈与税の基礎控除額)を超えると贈与税の申告義務が生じることになります。

参考 相続税基本通達21の3-9

個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。(昭50直資2-257改正、平15課資2-1改正)

補足ですが、扶養義務者(親や祖父母)からお年玉としてではなく、生活費や教育費(一定の基準が有ります)として貰った場合は、通常必要と認められるものの範囲(社会通念上適当と認められる範囲)であれば、贈与税の課税対象にはなりません。

ただし、生活費や教育費に充てられずに預貯金となっている場合や車の購入等に充てられた場合は、それらの生活費や教育費に充てられなかった部分については、贈与税の課税対象になるのでご注意ください。

教育費については、別途、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税(措置法70条の2の2)が設けられています。

(注)扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹、家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族、三親等内の親族で生計を一にする者 をいいます。

村上事務所は、法人化して初めての新年を迎え、来月2月で1周年です。今後とも末永く未来永劫よろしくお願い申し上げます。

税理士法人村上事務所  岡村 陽

確定申告で税金が還付になる場合

箕面の滝道はモミジの紅葉で有名で、11月の半ばから12月の初めには多くの観光客が訪れます。箕面の滝には当事務所から歩いて一時間弱で行くことができます。

給与を一か所から受けている場合で、給与所得、退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下の場合、サラリーマンは勤務先で年末調整をすることにより確定申告は不要となりますが、確定申告をすることにより税金が還付になる場合があります。

□年の中途で退職した場合
□住宅ローン控除を受ける場合(住宅を取得した初年度)
□多額の医療費等を支払った場合
□寄付金を支払った場合

  • 年の中途で退職した場合

その年に新しい職場に再就職して、その会社で年末調整をする場合は確定申告をする必要はありませんが、それ以外の場合は確定申告をすることで税金が還付されることがあります。

  • 住宅ローン控除を受ける場合

初年度は確定申告をします。

その際の添付書類は下記のとおりです。

①住民票
②住宅借入金等特別控除額の計算明細書
③勤務先から交付された源泉徴収票
④土地、建物の登記事項証明書
⑤土地建物の売買契約書、請負工事契約書など

確定申告をすると税務署から「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が送られてきます。2年目以降はそれと金融機関等から送られてきた「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出して年末調整で調整します。

  • 多額の医療費等を支払った場合

医療費控除の対象となる金額は次の通りです。(最高200万円)

(支払った医療費等)―(保険金などで給付される金額)-10万円(注)

(注)その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%

上記の計算で計算された医療費控除の金額を所得控除して税金の計算をします。

生命保険契約で受け取った入院給付金、健康保険から給付になった高額医療費等などはその目的となった医療費等から差引きます。(保険給付金等のほうが多い場合は他の医療費等から差引きません)なお、差額ベット代は医療費に入らない場合がありますのでご注意ください。

  • 寄付金を支払った場合

寄附金控除の控除額の計算は次の通りです。

次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額

〇その年に支払った特定寄附金の額の合計額

〇その年の総所得金額の40%相当額

昨年はふるさと納税で確定申告した方が多かったのではないでしょうか。

平成27年4月1日以降にふるさと納税先が5団体以下でその団体から送られてきた申請書を返送する手続き(ワンストップ納税)をした人は確定申告は不要ですがそれ以外の人は確定申告をしないと住民税を減らすことはできません。

以上の場合は確定申告をしてもしなくてもいいのですが、確定申告をすることで税金が還付になったり、住民税が少なくなったりします。また、源泉徴収票にある源泉徴収税額の金額が0の人は確定申告しても還付になる税金がありませんのでご注意ください。

還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

なお、サラリーマンでも2か所から給与を受けている場合、給与以外の所得がある場合、満期の保険金を受け取った場合、不動産等の譲渡所得がある場合など確定申告しなければならない場合があります。

 

税理士法人村上事務所
小松千代美

住宅借入金特別控除は確定申告で適用を受けないと大変なことに!

今回は、住宅借入金特別控除の適用要件を満たす方が確定申告において住宅借入金特別控除の適用を受けることを失念した場合、どうなるかと言うことを書いてみます。

通常、更正の請求は、本来の確定申告期限から5年間(平成23年12月1日以前に法定申告期限が到来する国税については1年間)認められる制度ですが、住宅借入金特別控除については、確定申告において適用を受けなかった場合や、確定申告で適用を受けた金額を超えるような、請求を行うことはできません。ただし、税務署長に更正の嘆願書を出すことで認められるケースはありますが、法的な裏付けはなく、特段の事情がない限り請求は認められないものと考えられます。

一方で、給与所得者等で普段確定申告を行わない方は、期限後申告であっても、還付申告書については5年間さかのぼって行うことができますので、住宅借入金特別控除の適用を受ける旨を記載した上で確定申告を行ってください。

気がつけば今年も残りわずかとなってきました。今年住宅をローンで買って新居に住まれた方で住宅借入金特別控除の適用を受けることができる方は下記に必要書類を書いておきますので早目に準備して来年3月15日までに忘れないで申告しましょう。

申告書は国税庁のホームページよりダウンロード出来ます。

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/02.htm

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

 

必要な書類など サラリーマンの方は源泉徴収票 新しい家屋に居住後の住民票の写し 金融機関等からの年末残高証明書 家屋の売買契約書または請負契約書の写し 敷地の売買契約書の写し 家屋の登記事項証明書 敷地の登記事項証明書
家屋を新築した場合
土地付家屋(マンション、建売など)を購入した場合
土地を購入した後、建物を新築した場合
中古住宅を購入した場合

 

税理士法人村上事務所

石橋 武

所得税減税! マイホームについて自己資金でバリアフリーリフォームをした場合 (住宅特定改修特別税額控除)

高齢者、要介護・要支援認定者、障がい者本人又はこれらの者と同居する人が、自らが所有し、かつ、居住するマイホームについて高齢者が通常の生活をするのに困らないバリアフリー仕様の基準を満たすリフォームを行ったときに使える制度です。

ご自宅について、水回りなどのリフォームをご検討中の方は、リフォーム内容を減税の適用となるように変更されるのも一つかもしれません。

工事内容についてはリフォームをお願いされる業者の方へご確認くださいませ。

  • 減税の内容
適用となるリフォーム後の居住開始年 平成26年4月1日から31年6月30日まで
(工事完了日から6ヶ月以内に居住)
控除期間 1年(工事後、居住を開始した年分のみ)
控除対象限度額 200万円
※国土交通大臣が定めるバリアフリー改修工事の標準的な費用の額が対象
※国・地方公共団体から交付される補助金・助成金などは標準的な費用の額から控除
控除率 10%
控除限度額 20万円

※同一年中に省エネ改修工事とバリアフリー改修工事を行って居住の用に供した場合には、控除額はそれぞれの改修工事の限度額(計450万円)となります(太陽光発電設備工事を併せて行ったときは550万円)

※この控除を前年以前3年以内に受けていた場合、適用を受けられません

  • 減税の適用を受ける要件
所得要件 その年分の合計所得金額が3,000万円以下
居住者の要件 リフォームを行う方が以下の1つに該当すること
1.    50歳以上の人(入居開始年の12月31日時点、年の途中で死   亡した場合には死亡の時)
2.    介護保険法の要介護・要支援を受けている人
3.    所得税法上の障がい者
4.    65歳以上(上記1.同様)又は上記2.・3.に該当する親族と同居を常況としている人
住宅の要件 1.    リフォームを行う人が所有し、居住する家屋
2.    リフォーム後の家屋の床面積が50㎡以上であること
3.    バリアフリー後の家屋の床面積の1/2以上が自己の居住用であること(併用住宅の場合)
工事の要件 1.    リフォーム費用の標準的な工事費用相当額から補助金等を引いた額が50万円超(税込)であること
2.    リフォーム費用の総額のうち、居住用部分の費用が1/2以上であること(併用住宅の場合)
3.    バリアフリーリフォームが次のいずれかに該当すること
a    通路等の拡幅
b    階段の勾配の緩和
c    浴室の改良
d    トイレの改良
e    手すりの取付
f    段差の解消
g    出入口の戸の改良
h    滑りにくい床材への取替
※工事内容の詳細は、国土交通省HP参照
その他の要件 1.     バリアフリーリフォームが「高齢者等居住改修工事等」であることについて、「増改築等工事証明書」などにより証明されていること
  • 手続

一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署へ確定申告を行います。

子供たちも独り立ちしてご夫婦お二人でのお住まいや、家が古くなってそろそろ台所や風呂などの水回りをリフォームしようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

リフォームをお考えのときには、バリアフリーや省エネ・耐震などの減税や補助金・助成金・省エネ住宅ポイントなどの適用の対象となる内容を組み込まれるようなご検討をされるのも一つかと思います。

また、減税は所得税だけでなく、固定資産税(要件は多少異なります)もありますので、減税や補助金・助成金・省エネ住宅ポイントなど様々な制度をご活用いただければと思います。箕面市の税理士法人村上事務所が御相談、申告のお手伝いをさせて頂きますのでご検討ください。

リフォームの減税制度 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会

税理士法人 村上事務所

村上 幸穂