相続対策として、養子縁組を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その場合、お孫さんや長男のお嫁さんを養子にとお考えになられることが多いですね。
では、既に養子縁組でどなたかの養子となっている人が、また別の人の養子となることは可能なのでしょうか?
例えば、既に嫁ぎ先の義父の養子となっている場合に、独身の叔父から子供がいないため養子になってほしいと言われたときに、義父と叔父の両方の養子となることは可能なのでしょうか?
それとも、叔父の養子となるためには、義父との養子縁組は解消しないといけないのでしょうか?
答えは、両方(複数の人)の養子となることが可能です。
養子縁組には、婚姻における重婚の禁止(民法732条)のような禁止規定はありません。
1人に養親が何人いてもOKなのです。
養子縁組を離縁しないかぎり、養子としての身分は存続することとなります。
次に、戸籍 はどうなるのでしょうか?
例えば、未婚の人が複数の人(例えば二人)と養子縁組をした場合は、
実親の戸籍から除籍され、
一人目の養親の戸籍に入籍
一人目の養親の戸籍から除籍され、
二人目の養親の戸籍に入籍
となります。
一人目の養親の戸籍から除籍されますが、そのことをもって養子縁組が解消されるわけではありませんので、1人目の養親の養子としての身分はそのままとなります。
養子縁組されている養親・養子の戸籍で除籍の記載があるときは、離縁による除籍なのか?他の人と養子縁組による除籍なのか?しっかりと内容を確認する必要がありますね。
養子縁組は、お金のかからない最も有効な相続税対策の一つです。
ただし、家族関係が良好であること、将来も良好であろうことが前提となります。
良好であれば問題はありませんが、例えば長男のお嫁さんを養子にしたが、長男夫婦が離婚してしまったり、養子と養子以外の相続人が仲たがいして遺産分割が整わなかったり 、など思惑どおりにことがすすまないことも・・・。
安易な養子縁組はお勧めしませんが、メリットとデメリットをしっかりとご承知の上での養子縁組は、相続税対策としてはかなり有効な手段となり得ますね。
さて、ここまでお読みいただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
養子 縁組は、財産の相続(事業の承継)とその相続税の対策としてメリットも多くありますが、デメリットもまたあります。
子供たちが仲良く財産を分割(事業を承継)してくれるのかご心配だったり、相続税の負担がご心配だったりされる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
具体的なメリットとデメリットはどのようなものなのか?
養子縁組をした方がよいのか?やめた方がよいのか?
誰を養子にしたらよいのか?
相続対策をしたいけれどどうしたらよいのかわからない
などご不安がおありでしたら、一度、お近くの税理士にご相談されることをお勧めします。
ご自身で本を読んだり、インターネットで情報収集されることもとても大切です。
しかし、相続は各ご家庭のご事情により千差万別、個別具体的なこととなる場合が多いです。
ご自身のご家庭にあったアドバイスを得られるように経験豊かな専門家にご相談されることで、よりご安心いただけるのではないでしょうか?
当事務所は、大阪府箕面市という土地柄、相続案件も数多く手掛けてまいりました。
ぜひご相談いただき、ご不安の解消にお役に立てましたら幸いです。
税理士法人村上事務所
村上 幸穂