相続・贈与業務

相続・贈与業務

相続Q&A

遺産相続・不動産相続

遺産相続

相続とは、亡くなった方が所有していた不動産や預貯金などを身内の人が引き継ぐことを言います。
相続によって、亡くなった方から身内の人に引き継がれるものには、預貯金などのプラスの財産のみならず、借入金などのマイナスの財産も含まれます。

相続財産には、亡くなった方の預貯金、株式、不動産、貸付金などのプラスの財産と、借入金、未払金などのマイナスの財産があります。
つまり、亡くなった方の一切の権利義務(権利と義務)となります。

自分で保険料を支払っていないのに(例えば、親が保険料を支払っているのに)、満期や解約又は被保険者の死亡により、生命保険金を受け取った場合には、保険料を支払った人から、その生命保険金の贈与があったものとされます。

相続税には、一定の非課税枠があります。これを「基礎控除」と言います。
基礎控除の算定式は次のとおりです。
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
相続財産が基礎控除の金額以下であれば、相続税はかかりませんし、相続税の申告義務もないため、税務署への申告書の提出は不要です。

相続税の申告には一般的に次のような資料を税務署に提出します。

  • 相続税の申告書(税務署の所定の様式)
  • 相続人関係書類(被相続人の戸籍、相続人の戸籍など)
  • 遺言書あるいは遺産分割協議書(相続人が複数の場合。遺産分割協議書の場合は各相続人の印鑑証明書も必要)
  • 相続財産関係書類(不動産の評価明細、預金・有価証券の残高証明書、死亡保険金支払明細など)
  • 債務・葬式費用関係書類
  • 小規模宅地の特例などの適用を受けるための資料など

一般的に相続税申告書作成に係る相続報酬は遺産総額の0.5~1.0%が相場と言われています。
ちなみに弊所では、遺産総額に0.7%を乗じた金額と、相続財産の個別に設定した単価の積算方式による算定額のいずれか低い金額を相続報酬としています。
例えば、次の2つのケースを考えてみましょう。
1.普通預金(1口座)=1憶円の相続財産
2.不動産+有価証券+預金+生命保険金=1憶円の相続財産
相続税の申告書の作成に時間を要するのは圧倒的に2となります。
1の相続報酬を遺産総額×0.7%で計算すると、過剰な報酬をご請求することになります。
遺産総額×0.7%のみでは、適正な報酬額を算定できません。
よって、財産の内容・種類・数による軸からも報酬を算定できるように、それぞれの算定額の低い方を相続報酬としています。

申告期限までに遺産分割ができなかった場合は、ひとまず法定相続分(共同相続人が取得する相続財産の民法に定められた相続割合)により財産を取得したものと仮定して相続税を計算し、申告と納税をすることになります。
なお、未分割の場合、相続税の特例である「小規模宅地等の特例」と「配偶者の税額軽減の特例」の適用を受けることが出来ません。
分割協議の完了に備え、「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出を忘れないように注意しましょう。

未支給年金とは、受給者が亡くなられ、本来であれば受け取ることができた年金で、まだ支給されていない年金のことを言います。
亡くなられた方と生計を同じくしていた遺族が受け取る(もしくは請求する)ことができます。
未支給年金については、遺族のその後の生活保障のために役立てるべきものという考えにより、相続財産には該当しません。
受け取る方(遺族)の固有の財産(一時所得となる)として、未支給年金を請求できる権利が与えられます。

会社の支給規定(退職金規定)に死亡退職金の受取人が明確に定められている(請求できる方・受取人の順位など)死亡退職金は、遺族の生活保障を目的としていると考えられているため、受取人固有の権利とみなされ、民法上の相続財産には該当しません。
ただし、税法上は、相続財産とみなして、課税対象となります。

死亡保険金は原則として「受取人の固有財産」と考えられ、特別受益には該当しません。
例えば、被相続人が保険の契約者、かつ、被保険者で、受取人が被相続人の妻の場合、保険金は妻固有の財産です。
遺留分の計算対象となる遺贈や贈与で受け取る財産とは異なります。
そもそも相続財産にはあたらないため遺産分割の対象外であり、遺留分を請求されることもありません。
ただし例外があります。
死亡保険金を受け取ることでほかの相続人との間に著しく不公平が生じる場合には、死亡保険金が特別受益に準じて持ち戻しの対象となる場合があります。
なお、持ち戻しの免除の意思表示を遺言書ですることは可能です。
最高裁では、死亡保険金が特別受益に該当することとなる判断要素は、保険金の額、この額の遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人の介護の貢献度などを総合的に考慮するとしています。

遺留分とは、法律により定められた相続人が必ず相続できる法律上の権利割合のことです。

共同相続人のうちで、被相続人の事業を手伝っていたり、あるいは被相続人に対して財産的な援助や、療養看護その他の方法により、被相続人の財産の維持または増加について、特別の寄与をした人がいるときは、他の相続人との公平を図るために、財産の維持、増加に貢献した相続人等に対して、本来の相続分とは別に寄与した分を上乗せします。
これを寄与分といいます。

まず原則としては、寄与したと思う相続人が遺産分割協議で寄与分の額を主張する方法です。
その主張を相続人全員が認めてくれれば、最初に相続財産全体から寄与分の額を差し引き、残りの財産を相続人間で分割します。
とは言え、相続人全員がその主張を認めてくれないケースもあります。
その場合は、寄与したと思う相続人が家庭裁判所に寄与分を認めてほしいと、調停の申し立てを行い、寄与分の額を決めてもらいます。
一般的に、寄与分の種類は、
・家事従事型
・金銭出資型
・療養看護型
・扶養型
・財産管理型
の5つに分けられます。
これらの種類に加え、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分の額を決めることになります。(民法1050条3項)

相続人が、被相続人の生前中、被相続人の事業を手伝っていたり、被相続人に財産的な援助や介護を行っている場合、「寄与分」という制度があり、相続人は遺産分割協議において、寄与分の主張が可能です。
この寄与分については、相続人のみが対象であり、過去の裁判例においても、相続人の配偶者が介護を行っていても、相続人の補助者として寄与は認めるものの、相続人でない者が介護等を行っている場合には何らの手当が無いとされています。
よって、長男の嫁は、寄与分が認められません。
しかし、被相続人の財産の維持または増加に貢献をしているのに、相続人ではないとする理由をもって、寄与分を主張できないとすることが問題視され、民法改正により、従前の「寄与分」という制度に加え、「特別寄与料」という制度が設けられました。(2019年7月1以降開始の相続より適用)
この特別寄与料は、相続人以外の親族で被相続人に対して特別な寄与をした者はその貢献が考慮され、 相続人に対して特別寄与料を請求できるようになったのです。
以下の要件を全て満たす場合、相続人でない者であっても特別寄与料を請求することができます。
①被相続人の相続人以外の親族であること(親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいいます。)
②被相続人に対して無償で療養看護その他の労務提供し、その結果、財産の維持または増加をさせたこと
③特別の寄与であること(親族として通常期待されるような程度の貢献は特別の寄与には該当しません。)
長男の嫁が上記要件に該当する場合は、相続人に対し寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)を請求できる可能性があります。

相続人の療養看護によって被相続人の財産の維持・増加が生じた場合は、相続人に「寄与分」が認められる場合があります。
しかし、この寄与分が認められるには、「特別の寄与」でなければならず、通常の療養看護はここに含まれません。
本件の場合では、ヘルパーさんが常時必要な状態であるにもかかわらず、長女の療養看護により雇わずに済み、ヘルパーさんへの支払いを免れたと言える場合であれば認められる可能性はあります。

お父様の死亡後の寄与の部分は認められます。
ここで、代襲相続人となる前の寄与も認められるかについては争いがあるものの、寄与分の制度趣旨である共同相続人間の実質的衡平を図るとの観点からは認められることとなります。
具体的には、寄与の時期、期間、方法、程度、相続財産の額など一切の事情を考慮して寄与分を決めることになります。

不動産相続

相続登記とは、土地・建物などの不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人の名義に変更する手続きのことです。
登記簿(登記所に保管されている公の帳簿のことで、不動産の所在地や、所有者等の状況がわかります。)の所有者の名義を変更するには、法務局へ所有権移転登記を申請することになります。
この登記申請のことを一般的には不動産の名義変更手続きと言われています。
所有権移転登記には各種原因(相続、贈与、売買等)がありますが、亡くなった方から相続により名義変更することを特に相続登記と呼びます。

不動産の相続が発生した場合、相続により不動産を取得した者は、相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から3年以内に不動産の名義変更登記をしなければなりません。
施行日以降、正当な理由なくこれを怠った場合(期限内に相続登記を完了しない場合)は、10万円以下の罰金が科されますので注意が必要です。

令和6年4月1日から義務化されます。
また、改正法は遡及して適用され、今後不動産を相続される方だけでなく、過去に不動産を相続して現時点で名義変更をしていない方についても、相続登記をしないと罰金の対象になります。

相続登記の義務を履行するための簡易な方法として新設された制度で、令和6年4月1日からスタートします。
なお、遺産分割がされた後にこれに基づく登記をする義務を相続人申告登記によって履行することはできないことや、不動産についての権利関係を公示するものではなく、効果が限定的であることに留意が必要です。

相続人申告登記は、相続登記の義務の履行期限が迫っている場合などに、その義務を果たすために利用いただくことが想定されます。
相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、相続登記をする必要がありますので、できるだけ早めに相続人の間で遺産分割の話し合いを行っていただき、その結果に基づく相続登記をしていただきますようお願いします。

相続人登記は、申出をした相続人についてのみ、相続登記の義務を履行したとみなされます。
相続人の全員が義務に履行したとみなされるには、相続人全員がそれぞれ申出をする必要があります。
なお、複数の相続人が連名で(話し合って)申出書を作成することで、複数人分の申出をまとめて行うこともできます。

法務局(登記官)に対し、対象となる不動産を特定した上で、
(1)所有権の登記名義人について相続が開始した旨 および
(2)自らがその相続人である旨
を申し出ていただくことになります。
申出方法の詳細や必要書類については、現在検討中であり、制度開始までにお示ししますが、相続登記の手続きと比べて簡略化したものとする方針です。
例えば、必要な戸籍関係書類については、申出をする者が登記簿上の所有者(被相続人)の相続人であることを確認することができる範囲で足り、相続登記の手続きとは異なり、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍関係書類までは要しないこととする方針としています。

土地を相続したものの使い道がなく、手放したいけれど引き取り手もなく、処分に困っている…。
そうした土地が所有者不明土地の予備軍になっていると言われています。
そこで、所有者不明土地の発生を予防するため、土地を相続した方が、不要な土地を手放して国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」(令和5年4月27日施行)が新たに設けられました。

申請する際には、1筆の土地当たり14,000円の審査手数料を納付する必要があります。
さらに、法務局による審査を経て承認されると、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金を納付します。
同じ種目の土地が隣接していれば、負担金の合算の申出をすることができ、2筆以上でも負担金は原則20万円です。
なお、一部の市街地の宅地、森林などについては、面積に応じて負担金を算定するものもあります。

基本的には、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人であれば、どなたでも申請できます。(売買等によって土地を取得した方や法人については対象外)
土地が共有地である場合には、共有者全員で申請していただく必要があります。
そして、国に引き渡すためには、法務大臣(窓口は法務局)の承認を得た上で、負担金(10年分の土地管理費相当額)を納付する必要があります。

所有者不明土地とは、相続等の際に土地の所有者についての登記が行われないなどの理由により、不動産登記簿を確認しても所有者が分からない土地、又は所有者は分かっていてもその所在が不明で所有者に連絡がつかない土地のことです。

所有者が分からない状態が続くと、土地の管理がきちんと行われないまま放置され、周辺の環境や治安の悪化を招き、近隣住民に不安を与えることになります。
また、土砂崩れなどの防災対策のための工事が必要な場所であっても、所有者が分からないために、工事を進めることができず、危険な状態が続いてしまったり、公共事業や市街地開発などのための用地買い取り交渉ができず、土地活用の妨げになったりします。

所有者不明土地の問題を解消するため、令和3年4月に「民法等の一部を改正する法律」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立・公布されました。
この2つの法律では、所有不明土地の発生の予防や、すでに発生している所有者不明土地を滞りなく利用するために、次のような見直しと制度の創設が行われました。
(1)登記が適切に行われるようにするための不動産登記制度の見直し
(2)相続等により取得した土地を手放すための制度(相続土地国庫帰属制度)の創設
(3)土地利用に関連する民法ルールの見直し

  • 遺産相続・不動産相続

    相続に関する基本情報

    相続財産の種類、土地、寄与分、相続申告依頼など

  • 相続税・相続税対策

    相続にまつわるお金のこと

    税金、譲渡所得、評価額など

  • 相続権・相続人

    こんな時、遺産を相続できるのは誰?

    遺産分割、代襲相続、相続人、相続放棄など

  • 遺言

    知っておきたい遺言の基本

    遺言書の種類、種類ごとのメリット・デメリットなど

  • 終活

    人生の終わり向けた準備を考える

    エンディングノート、お墓、離婚、税金の考え方など

  • 死後の手続き

    いざという時の手続きを知っておく

    死亡届、埋火葬許可、各種年金・保険など

  • その他

    海外での相続、凍結された預金口座からの引き出しは可能?
    など

土地の評価方法によっては、評価額を大幅に下げることができる場合があります。
大切な財産で損をしないためにも、一度ご相談いただくことをお勧めします。
弊所では無料の相続相談を行っております。この機会に是非ご活用ください。

⇒「無料の相続相談」のご案内・お申込み・お問合せはこちらから。

ページの先頭に戻る
0727210075